AIペンギンミステリー(23)  第7話③

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《 部屋と制服と食事 》 (解答編)

「クセあり解答と減点!?」


 食器のトレイを戻す時に、リュウは大沢にそっと耳打ちした。

「あるといい物はテレビだ」

 大沢はきょとんとしていたけれど、あとは自分でなんとかするだろう。


 学生たちは再び大講堂の席に戻った。

 そして、巨大スクリーンには、またまたロボQが…。

「それでは皆さん、ランチの前に出題した『謎解き問題』に答えてもらいマス。追加事項も忘れずに記入してくだサイ」

【解答編】

問題1:制服の間違いをできるだけ具体的に5つ答えよ

 

《追加事項》

『ある』にあったらいいなと思う物を1つ書いてください。


ロボQ「ソコマデ。全員の答えを受信しまシタ。それでは、すぐに解答をお知らせしマス」

ロボQ「注意力と記憶力がポイントとなるのが『問題1』デス。『スカーフがオレンジから赤に変わっている』と答えを書いた人がいますが、これは正解ではありまセン」

 どこかで「えーっ」と声が上がった。

ロボQ「左と右の絵を見比べて、左側の絵が《本物》だと思った人は変化している場所が合っていても残念ながら不正解デス。なぜなら、皆さんは『制服の実物』を見ているのデスカラ」

リュウ(そうか、そのために施設見学をはさんだんだな)

ロボQ「さらに制服が展示されていた部屋の壁には、正解と同じ絵が飾られていまシタ。問題自体は非常に簡単デス」

スクリーンに答えが示された。

「問題1:模範解答」

  • 女子用制服のスカーフが赤からオレンジに変わっている
  • 女子用制服の襟が紺から水色に変わっている
  • 男子用制服のネクタイが水色から赤に変わっている
  • 男子用制服のボタンが2つから3つに変わっている
  • 男子用制服のズボンのすそに白い2本線が入っている

ロボQ「問題に『具体的』と書いてあることにも注目デス。女子または男子の区別が書いていない、変化した色が書いていないなどは減点になりマス」

 講堂内で複数のため息が聞こえた。

ロボQ「続いて『第2問』の解答デス。これは『ある』に隠された物がなにかを答える問題デシタネ。じつはこちらも簡単そうに見えて、注意深く考える必要がある問題デシタ」

 スクリーンに答えが示された

「問題2:模範解答」

「ある」に共通することは、

寮のプライベートルーム(スタンダードタイプ)にあった物

とまどう→まど(窓)

チョイス→イス

ライト(照明)

デスクワーク→デスク(机)

ベッドタウン→ベッド

バスケットボール→バス(バスルーム)

世界税関機構(WCO)→WC(トイレ)

ロボQ「家具、インテリア、部屋にある物などの答えは間違いではありませんが不十分デス。この場合も減点になりマス」

 またしても複数のため息が聞こえてくる。

ロボQ「どちらも『なぜ、施設見学の後に答えさせたのか』ということに気がついてほしかった問題デス」

リュウ(やっぱり、ちょっとクセのある問題だったんだな)

ロボQ「《追加事項》の『ある』にあったらいいなと思う物を書いてもらいまシタネ。こちらは入学した後のお楽しみデス」

 この後、個人データを《AI学園》に提供する話や、入学した後の授業の説明などいくつかの項目の再確認が行われて、長い「一日体験」が終わった。

ロボQ「皆さん、今日はお疲れさまデシタ。今日の体験を踏まえ、よく考えて《AI学園》に入学するかどうかを決めてくだサイ。皆さんが《AI学園》に来る日を心よりお待ちしていマス」


 リュウの心は《AI学園》にすっかり傾いていた。入学したいなと心から思う。とりわけ、心を惹かれたのはアンドロイドやロボットだった。

(でも、リホを一人にはできない。どうにかできないかな…、いや、どうにもならないな)

 リュウは今朝の出来事を思い出す。リホに「話がある」と切り出したのだが…。

「説明会に行ってきて! 話はそのあとで聞く」


 「《AI学園》には入学しない」という話をする前に、ものすごい剣幕でリホにそう言われた。普段は穏やかなだけに、こうなるともうどうしようもない。

(リホはオレが《AI学園》に入ることを望んでるんだろうな。オレだってそうしたい。でも、家族の方が大切なんだ。だから…)

 家に帰ったら、リホを説得するしかない。オレはリホを一人にできない。


「リュウ! 特大エビフライはうまかったか?」

 門の外で大沢が待っていてくれた。

 帰り道、意外なことに大沢は《AI学園》の話をしなかった。ただ、別れ際に急に真剣な顔になった。

「リュウ。リホちゃんの言うことに間違いはない。まずはリホちゃんの話を聞け」

 リホの気持ちも大沢の気持ちもわかる。ありがたいとも思う。だけど…。


 玄関のドアを開ける前に、リュウは大きく深呼吸をした。


「ただいまー」

 家に戻ったリュウは玄関に置いてある靴に驚いた。

(リホの靴じゃない。しかも2足?)

 

「おかえりなさい。お兄ちゃん」

いつものようにリホが出迎えてくれた。

 リホの後ろから現れたのは…

《 To be continued… 》

桜と葉っぱライン

次回は、

第8話「一歩先を行く妹」 です

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🐧 今回はここまで。

楽しんでいただけたでしょうか?

今回もちょっとひねった問題でした。

《AI学園》では「注意力」があることが

重要視されるみたいです。

皆さんは「減点」されませんでしたよね?

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