AIペンギンミステリー(16)  第5話②

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《リュウの家族》 (ヒント編)

🐧「二人で謎解き」

 リュウと大沢の携帯に送られてきた《AI学園》からのメールには問題が書いてあった。

「なんだよ。まだ試験が続いてるのか?」

「しかもまた謎解き問題だ。でもまあリュウとリホちゃんがいるからな。ちゃちゃっと解いて…」

 タラリララ~、ピロン♪

今度は大沢の携帯だけが鳴った。

「うあ。母ちゃんからだ。すぐ帰ってこいだとさ」

 大沢は立ち上がったが、携帯の画面を見てため息をついた。

「一緒に謎解きしたかったのにな。明日、また来る。答え合わせしようぜ」

 大沢がバタバタと帰った後、リュウは《AI学園》から送られてきた問題に目を向けた。

「私にも見せてよ」

 そう言ってリホが顔を寄せてくる。

「じゃ、一緒に解くか」

【ヒント編】



リホ「答えはこの黒枠の中のカタカナにあるってことだよね?」

リュウ「そうだな。問題1だと□□に入る2文字が枠の中にあるはずだ」

リホ「◎◎が□□ □□とふりそそぐ…なんだろ?」

リュウ「『ふりそそぐ』っていうんだから水かもな」

リホ「光かもしれないよ」

リュウ「下の方が簡単そうだから先に見とくか」

リホ「第2問はもうそのまんまだよね。反転している文字をつなげばいいんだもん」

リュウ「そうだな。じゃ第3問。『入学、1年生、背中』といったらあれだろう?」

リホ「うん。でもカタカナが足りなくない?」

リュウ「いや、たぶん『これ』を使うんだろう」

 リュウは画面を指さした。

リホ「そうか。そこに気がつけば、1問目も解けるね!」


リュウ「解答欄を見ると文字数がわかるんだな」

 リュウは解答欄にカタカナを打ち込んでいく。

リホ「じゃあ、答えはこのピンクの枠のタテ3文字…」

リュウ「なんか引っかかるんだけどな。ほんとにそれでいいのかな?」

リホ「わかった! お兄ちゃん、これって!!」



 その夜、ベッドに入ったリュウは今日の出来事をゆっくり頭の中で思い返していた。

難しかった試験、白雪と結城との出会い(大沢もいたっけ)、ロボQの面接、アンドロイドと握手…。

密度の濃い一日だった。

(オレ、今日のことは一生忘れない。だけど…)

 一番に考えなければならないのはリホのことだ。もし、万万万が一、《AI学園》に合格できたとしても、まだ中学生のリホを一人、家に残していくわけにはいかない。

(最初から決めてたことじゃないか。《AI学園》が全寮制な以上、オレは行かないって。試験を受けてみるだけだって)

 それでも、リュウの胸に宿った熱い思いはなかなか鎮まってくれなかった。

(全国から個性的な生徒が集まるんだろうな。ロボQやアンドロイドもいる。そんな学生生活はワクワクするだろうな)

 《AI学園》が家から近いというのも、手が届きそうなのに…という思いを募らせる。

(オレはリホを守る。それが一番大事なことなんだ)

《 To be continued… 》

次回は、

(17)【〈解答編〉「兄妹の約束」】

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🐧 今回はここまで。

楽しんでいただけたでしょうか?

リュウは兄として妹のリホちゃんを守りたいんですね。

リホちゃんの思いはどうなんでしょう?

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