《小さな落し物》 (ヒント編)
🐧「ペンギンの靴」
アンドロイドから渡された「3枚のカード」をリュウはよく見てみることにした。
【ヒント編】
リュウ「1枚目のカード。『忠』って書いてある。下にあるのは模様? それともなにかの絵?」
リュウ「2枚目のカード。カタカナと音符が書いてある。
ドドソソララソ…どっかで聞いたことがある。歌だよな?」
リュウ「3枚目のカード。5ケタの数字だ。この絵はなんだろう? 蝶の羽かな? なんかの顔? ではないよなぁ。
この数字はなにを表しているんだろう?」
1枚目のカードはいまのとこさっぱりだ。
2枚目のカードのことはなんとなくわかった。
3枚目のカードは…考えればどうにかなりそうな気がする。
リュウ「この数字がなにかわかれば…」
リュウは腕組みをして一生懸命考える。
なにかヒントはないかと、ひっくり返してみたけれどカードの裏側は無地だった。
しばらくかかりそうだと思ったのか、アンドロイドは鼻歌を歌いながら、ペットボトルのゴミを片付け始めた。
アンドロイド「ABCDEFG HIJKLMN~♪」
リュウ(のんきなアンドロイドだなぁ。鼻歌なんて。……あ、もしかして“アルファベット”? それにこの歌って!!)
3枚目のカードを解くカギが「アルファベット」だと気がついたリュウは、3枚のカードを見ているうちにもう一つの発見をした。
カードを並べ替えると…。
(そうか、これって…)
リュウは自動販売機に視線を移す。ペットボトルの下のボタンは赤が温かい飲み物、青が冷たい飲み物になっているようだ。
ドリンクの見本が並べられた販売機を見ていたリュウは空中に「なにかの形」を指で描く。
リュウ「わかったぞ!」
大きな声を出したので、アンドロイドが振り向いた。リュウはアンドロイドに近づいて笑顔を向けた。
リュウ「ドリンクを選びます!」
アンドロイド「では、コインをお渡しします」
目をキラキラさせているリュウに対して、アンドロイドはたんたんと仕事をこなす。この自動販売機専用の大き目のコインを1枚リュウに渡してくれた。
販売機の前でリュウは深呼吸をした。コインを投入口に入れると、チャリ~ンと金属音が響いた。
ボタンを押すと「ドゴンッ」と大きな音がして、取出し口にドリンクが落ちてきた。
ドリンクを取り出そうとしてリュウがかがむと…。
(あれ? 赤ちゃんの靴だ)
さっきまでは気づかなかったが、小さな靴が片方だけ落ちていた。拾い上げると、踏まれたのか転がったのか、ちょっと汚れていた。
「かわいそうに…」
黄色い靴にはペンギンの丸い顔が描いてあった。リュウは丁寧に泥とホコリを手で払った。
「これ、落し物みたい。赤ちゃんが通りませんでしたか?」
リュウはアンドロイドにそう尋ねた。
アンドロイド「いいえ。見かけませんでした」
リュウ「そうですか。どうしよう…この靴」
あたりを見回しても人影はなかった。リュウは通りからよく見えるガードレールの端に小さな靴をのせた。
「ご主人が見つけてくれるといいね」
そう声をかけて、そっと撫でた。
「吉水リュウさん、ドリンクをお忘れですよ」
後ろからアンドロイドに言われて、リュウは販売機に戻った。
(忘れてたわけじゃないんだけど。ん?)
ドリンクを取出すと…。
《 To be continued… 》
次回は、
(13)【〈解答編1〉「星の鍵」】
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🐧 今回はここまで。
楽しんでいただけたでしょうか?
リュウは自動販売機からどのドリンクを選んだのでしょう?
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