AIペンギンミステリー(12)  第4話②

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《小さな落し物》 (ヒント編)

🐧「ペンギンの靴」

アンドロイドから渡された「3枚のカード」をリュウはよく見てみることにした。

【ヒント編】

リュウ「1枚目のカード。『忠』って書いてある。下にあるのは模様? それともなにかの絵?」

リュウ「2枚目のカード。カタカナと音符が書いてある。

ドドソソララソ…どっかで聞いたことがある。歌だよな?」

リュウ「3枚目のカード。5ケタの数字だ。この絵はなんだろう? 蝶の羽かな? なんかの顔? ではないよなぁ。

この数字はなにを表しているんだろう?」

1枚目のカードはいまのとこさっぱりだ。

2枚目のカードのことはなんとなくわかった。

3枚目のカードは…考えればどうにかなりそうな気がする。

リュウ「この数字がなにかわかれば…」

 リュウは腕組みをして一生懸命考える。

 なにかヒントはないかと、ひっくり返してみたけれどカードの裏側は無地だった。

 しばらくかかりそうだと思ったのか、アンドロイドは鼻歌を歌いながら、ペットボトルのゴミを片付け始めた。

アンドロイド「ABCDEFG  HIJKLMN~♪」

リュウ(のんきなアンドロイドだなぁ。鼻歌なんて。……あ、もしかして“アルファベット”? それにこの歌って!!)

3枚目のカードを解くカギが「アルファベット」だと気がついたリュウは、3枚のカードを見ているうちにもう一つの発見をした。

カードを並べ替えると…。

(そうか、これって…)

 リュウは自動販売機に視線を移す。ペットボトルの下のボタンは赤が温かい飲み物、青が冷たい飲み物になっているようだ。

 
ドリンクの見本が並べられた販売機を見ていたリュウは空中に「なにかの形」を指で描く。

リュウ「わかったぞ!」

 大きな声を出したので、アンドロイドが振り向いた。リュウはアンドロイドに近づいて笑顔を向けた。

リュウ「ドリンクを選びます!」

アンドロイド「では、コインをお渡しします」

 目をキラキラさせているリュウに対して、アンドロイドはたんたんと仕事をこなす。この自動販売機専用の大き目のコインを1枚リュウに渡してくれた。

 販売機の前でリュウは深呼吸をした。コインを投入口に入れると、チャリ~ンと金属音が響いた。

ボタンを押すと「ドゴンッ」と大きな音がして、取出し口にドリンクが落ちてきた。

ドリンクを取り出そうとしてリュウがかがむと…。

(あれ? 赤ちゃんの靴だ)

 
 さっきまでは気づかなかったが、小さな靴が片方だけ落ちていた。拾い上げると、踏まれたのか転がったのか、ちょっと汚れていた。

「かわいそうに…」

 黄色い靴にはペンギンの丸い顔が描いてあった。リュウは丁寧に泥とホコリを手で払った。

「これ、落し物みたい。赤ちゃんが通りませんでしたか?」

 リュウはアンドロイドにそう尋ねた。

アンドロイド「いいえ。見かけませんでした」

リュウ「そうですか。どうしよう…この靴」

 あたりを見回しても人影はなかった。リュウは通りからよく見えるガードレールの端に小さな靴をのせた。

「ご主人が見つけてくれるといいね」

 そう声をかけて、そっと撫でた。

「吉水リュウさん、ドリンクをお忘れですよ」

 後ろからアンドロイドに言われて、リュウは販売機に戻った。

(忘れてたわけじゃないんだけど。ん?)

ドリンクを取出すと…。

《 To be continued… 》

次回は、

(13)【〈解答編1〉「星の鍵」】

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🐧 今回はここまで。

楽しんでいただけたでしょうか?

リュウは自動販売機からどのドリンクを選んだのでしょう?

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