AIペンギンミステリー(7) 第2話③

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《 おかしな面接》(解答編)


🐧「笑いのツボ」

 リュウがクロスワード問題を解き終えた時、突然、画面が切り替わってロボQが現れた。


解答編】

ロボQ「わかりマシタヨ!」

リュウ「わ、びっくりした。…わかったってなにが?」

ロボQ「『鼻がつまったスズメの行進』のことデス。その前の話の流れから、あなたが小噺か川柳を言うと推測していたのデス。でも、どちらにも当てはまらないと判断しマシタ」

リュウ「あ、その話…」

ロボQ「あなたが言ったのは『ダジャレ』というものだったのデスネ。『スズメ』と『進め』をかけていたというわけデス」

 リュウの顔はだんだん赤くなる。

(ダジャレの解説をしないでくれ~)

ロボQ「さらにあなたは『鼻がつまった』という…」

リュウ「もうやめてもらえませんか。ハズカシイ…」

ロボQ「おや、そうデスカ? やっと理解できたというノニ」

リュウ「それより、ブースは直ったんですか?」

 早く話題を変えたい。この後、「なぜ恥ずかしいのデスカ?」とか問い詰められてはかなわない。それにしても、今までずっと「スズメー!」の謎と奮闘していたんだろうか? AIの考えることってよくわからない。

ロボQ「ああ、そうデスネ。もう外に出られマスヨ」

リュウ「あ、でも、まだ解けていない問題があるんです。それに、答えが合っているかどうかもわからないし」

ロボQ「2問目まで終わっているようデスネ。答えが気になりマスカ?」

リュウ「そりゃ気になりますよ」

ロボQ「ただの時間つぶしの問題だったのにデスカ?」

リュウ「答えを知りたいです。答えがわからないと、ずっと気になったままになっちゃいますよ」

ロボQ「…ナルホド。では、答え合わせをしまショウ」

ロボQ「1問目のあなたの答えは?」

リュウ「雪や氷が溶けて『ダルマ』だけが残る」

ロボQ「正解デス。『なにも残らない』というのでは謎解き問題としてつまらないデスカラネ。答えはこうなります。

 画面が切り替わって、答えの画面になった。

リュウ「おおっ」

 すぐにまた画面が切り替わって、ロボQが現れる。

ロボQ「2問目は答え合わせに時間がかかりそうデス。ですから、願書に登録されているあなたの携帯電話に答えを送信しておきマス。3問目はまだ手つかずデシタネ。こちらは問題をそのまま送っておきマス。答えはゆっくり考えてクダサイ」

リュウ「ありがとうございます。でもそれだと、3問目の答えが…」

ロボQ「3問目は問題というより《AIジョーク》デス。あなたが考えてくれた『スズメー!』に対するお返しデス。どうしても答えが気になるなら次に会った時に聞いてクダサイ」

 ウィ~ンと音がして、ブースを囲っていた壁が引っ込んでいった。

ロボQ「さあ、お疲れサマデシタ。これでブースから外に出られマス」

リュウ「あの…、今日はありがとうございます」

ロボQ「そうそう。大事なことをヒトツ。門を出たところの自動販売機で受験生の方々にドリンクをお渡ししてイマス。必ず寄ってクダサイネ。ソレデハ…」

 タブレットはプツンっと切れて、画面は真っ暗になった。

「ふうぅ~」

 大きく息をはいて、リュウは立ち上がった。

(おかしな面接だったけど、なんか楽しかったな)

 

 リュウは教室を出た。もう誰も残っていなかった。面接はそんなに長くなかったから、ほかの受験生はとっくに帰ったのだろう。

 携帯で時間を確認しようとして電源を入れたら、ロボQからメールが届いていた。

(そうだ。クロスワードの答え…)


(オレの答え、合ってるみたいだ。二重マスの《アーユーレディー》。準備はできてる? ってことだよな。なんか、意味あり気なんだけど)

門に向かって歩く途中、残った3問目の答えを考える。


(《AIジョーク》だって言ってたよな。なにかコンピューターに関係する言葉なのかな?)

「わかったぞ!」

(「黒いハテナ」はビット。8ビット=1バイトだから、「白いハテナ」はバイト。
《ちょビット アルバイト》だ)

 リュウは振り返ってあたりを見回した。答えがわかったことをロボQに伝えたかった。でも、そのへんを歩いているはずもない。ロボQは画面の中にいるAIなんだから。

(『どうしても答えが気になるなら次に会った時に聞いてクダサイ』ってロボQは言ってたけど、また会えることなんてあるのかな…)

 試験の出来を考えると結果は絶望的だ。もうロボQと話すことなどないだろう。リュウは寂しい気持ちになった。

(いつか、友達になるAIが本当に現れたりするのかな?)

 ロボQを捜すわけにもいかないから、リュウはとぼとぼと門に向かった。

(それにしても…。《ちょビット アルバイト》って面白いか? AIに言ったら爆笑するんだろうか?)

 出口の門が見えてきた。来る時にはなかったはずの自動販売機が確かにある。

(あれ? あそこにいるのってアンドロイドじゃないか? しかも、女の子だ)

 リュウは足早に出口に向かった。

《 To be continued… 》

次回は、

(8)【第3話「初めてのアンドロイド」】

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🐧 今回はここまで。

楽しんでいただけたでしょうか?

第2話では「クロスワード」問題を出題しました。
じっくり解いてくれましたか?

自動販売機の前にいるアンドロイドの女の子はなにをしているんでしょうね?

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