AIペンギンミステリー(6) 第2話②

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《おかしな面接》(ヒント編)

 
🐧「クロスでくろうす」

リュウはロボQが出した問題とにらめっこしていた。

 ふと、(ほかの受験生はもう面接が終わったのかな?)と思い、カプセル化したブースから周囲を見たが、人の姿は見えなかった。音もぜんぜん聞こえない。なるほど、これなら一斉に面接をしても答えが外に漏れることはない。

(それにしてもおかしな面接だよなぁ。自己紹介はともかく『1+1』の答えを聞かれるとは思わなかった。普通は「志望動機」とか「学生生活はどうですか」とか聞くんじゃないのかな? まあいいや、とりあえず問題をやろう)

リュウはタブレットに映し出された問題に目を向けた。

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【ヒント編】

リュウ(イラスト問題か。面白いな。暖かくなったら雪や氷が溶けるんだろうけど…)

リュウ(2問目はクロスワードか。これは時間がかかりそうだ。暇つぶしにはクロスワードってもってこいだもんな)

 早速、マスを埋めるためのカギを読んで…。

リュウ(なんだこれ、予想外に難しいじゃないか。ただの時間つぶしじゃないのかよ)

・タテ16は都営バスだから略して「トバス」

・タテ17はカメとカッパの共通点だから…「コウラ」だな

リュウ(タテで自信もってわかるのこれしかないな。ヨコは…)

・ヨコ6はわかるぞ。にぎり、ちらしといったら「スシ」だ

・ヨコ13は赤い宝石…「ルビー」だな。3文字だし。

・ヨコ24はラから始まるんだな。これはランドセルだ。


(う~ん、なかなか埋まらないな。タテ1は「賞をもらえる」んだからコンテストか? でもヨコ13が「ルビー」だから最後の文字は「ル」。あー、じゃあ)

・タテ1は「コンクール」だな。

(あとは埋まったマスを参考にして…)

 せっせとマスを埋めながら、リュウは「AI学園」のことを考えていた。

リュウ(やっぱ、どう考えても急だよなぁ)

「AI学園」は政府の発表から生徒募集までの期間があまりにも短かった。ほんの数か月だ。しかも、あっという間に名だたる企業が協力を申し出て、最重要の国策といっていいほど力が入っている。大学入試を控えた学生はもちろん、教育現場はパニックに陥った。入学後は大学と同等以上の授業が受けられると発表された。だが、中学校卒業資格をもつ16~25歳の人間なら誰にでも入学のチャンスがあるというので余計に混乱した。リュウは今、高校2年生だから本来なら大学受験は来年ということになる。それでもこの試験に合格すれば、入学資格が与えられることになる。

リュウ(そりゃ、混乱するよな)

ところが、政府が出す情報が公開する時期・内容ともじつに適切で、混乱はすぐに収まった。リュウはそのことにも興味が湧いた。

リュウ(なにかとてつもない力が働いている気がする。どうしても急がなきゃならなかったことにもきっと理由があるんだろう)

 そうこうしているうちにクロスワードはだいぶ埋まって…。

二重枠になっているA~Hをつなぐと文章が現れた。

リュウ「なんだろこれ。ひょっとして、なにか意味があるのかな?」

 そんなつぶやきを聞いている者などいないはずなのだが、なんとなく誰かに見られているような不思議な感覚があった。


リュウ(3問目は数式? 「黒いハテナ」に「8」をかけると「白いハテナ」になるってことなのかな?)

 その時、急にタブレットの画面が切り替わって、ロボQの顔が現れた。

ロボQ「わかりマシタヨ!」

リュウ「わ、びっくりした。…わかったってなにが?」

《 To be continued… 》

次回は、
(7)【〈解答編〉「笑いのツボ」

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🐧 今回はここまで。

楽しんでいただけたでしょうか?

「AI学園」にはいろいろ謎がありそうです。

次回の「解答編」までに、すべての問題が解けるかな?

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